インプラント手術で素材の使い回し

 歯のインプラント手術で素材の使い回しは禁止されています。自らの利益のためにインプラント患者を危険にさらすような悪質な歯医者の存在を週刊朝日がスクープしました。
  •  インプラント手術の素材使い回しとは何か?
  •  なぜ使い回してはいけないのか?
  •  なぜ使い回す歯科医がいるのか?

インプラント手術で素材の使い回しは禁止されている

 歯のインプラント手術で素材の使い回し(再利用や再滅菌)が禁止されています。理由は人体に危険だからです。どのインプラント素材の説明書にも「再使用禁止」「再滅菌禁止」と書いてあります。インプラント治療で一度他人に利用されたインプラント素材を、別に人に再利用するなんてことはあってはならないことなのです。
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なぜインプラント手術で素材を使い回しをするのか?

 歯のインプラント手術でインプラント体を埋め込んだ後に、細菌感染など何かトラブルが発生し、再度インプラント体を抜き取ることがあります。抜き取ったインプラント素材はもう再利用ができないはず。しかしインプラントは高額な素材です。一度使ったインプラントを保管しておき、利益のために再利用をしたくなる誘惑に負けた歯科医が使い回しをするのです。

使い回し素材のインプラント手術による結合失敗と細菌感染

 インプラント体素材の表面には骨との結合を強化するために、ミクロの凹凸があります。
 インプラント体を埋め込む時に、ミクロの凹凸の中に骨組織や歯肉組織が必ず入り込みます。それはブラジでこすって簡単に落とせるようなものではありません。
 では、一度他人に埋め込んで利用したインプラントを全く別の人間に埋め込んだら何が起こるのでしょうか?
 人間には異物が入ってきた場合、それを排除しようと免疫反応が起きます。埋め込まれたインプラントに初めから他人の骨組織が付着していたらそれを排除しようとする働きが起き、当然インプラントは骨に結合しません。いずれ抜け落ちてしまうはずです。
 使い回されたインプラントの問題は結合だけではありません。細菌感染の問題もあります。
 一度患者に埋め込んだインプラントを滅菌作業したところで全ての菌が消滅するわけではありません。
 病原菌の付着したインプラントを使い回すことで、別の患者に病気が感染する可能性があります。

インプラント手術における使い回し疑惑について週刊朝日の記事概要

インプラント手術で素材使い回しの疑惑を持たれた問題の歯科医師
「使っていないですよ。再利用はしていないです。インプラント治療をする場合、骨に埋め込みサイズが合わないものは・・・(黙り込む)」
・サイズが合わないものはどうしているんですか?
「破棄しています。再利用することはなくて、ネジの深さや角度があるんですよ。それを埋め込むのではなくて、仮のサイズを決める「ゲージ」として使っています。その後新品を入れます。」
・ゲージとして使うことは一般的なのでしょうか?
「私独自の方法なのかもしれません」
・添付文章に再利用禁止と明記されているのはご存じですよね?
「・・・(沈黙)」
 この歯医者はこれまでなんども問題を起こしており、歯科医師会から脱会勧告もうけていた。不正請求や歯科助手に手術をさせた(これは違法行為)として保険医取り消しもうけているにも関わらず、歯科医師自らの生活のために広告を出し続けて被害は拡大したという。
 さらに恐ろしいのは、ほとんどの患者に対して、診察日当日にいきなりインプラント手術が行われたとうこと。
 法律では医療行為を行う前に、患者に対し十分な説明と同意を得ていなけらばならない。
 ある患者は、十分な説明をうけないまま、上下23本ものインプラントを埋められ、治療費400万円を払ったという。患者は今でも歯茎の痛みや腫れに苦しんでいるそうだ。

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