インプラント手術の失敗例
インプラント手術の失敗例には「前歯の見かけが悪い」というような審美性の問題から、細菌感染で骨との結合が上手くいかなくてやり直す例や、手術の事故で神経に後遺症が残ってしまうようなケースまで様々です。
インプラント治療はルールを厳格に守れば安全性が科学的に確立された治療法であり、世界的には1000万人以上の患者で成功率99%以上とされていますが、100%にできない裏側で訴訟にまで持ち込まれる事故なども起きています。
インプラント手術中の失敗例
インプラントを埋め込む外科手術での失敗例です。
- 下顎の神経損傷の事故
- 上顎洞や鼻腔の事故
- 血管損傷による出血事故
- 骨のやけど
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下顎の神経損傷の事故
下顎の神経損傷の事故ですが、インプラント手術中に起こる事故で特に多いがこれです。CT(コンピューター・トモグラフィー)を使って骨の形状や神経の位置がわかるようになったため、神経損傷の事故は以前よりも大幅に減ったものの、今でも多い事故です。下顎骨中の神経は知覚神経であり、運動神経ではありませんので、顎が動かなかったり、筋肉が引きつったりするようなことはありませんが、麻酔をしたときのような神経麻痺が常にあります。
万が一に神経の損傷が起きてしまった場合、ビタミンや薬物投与による治療を行って対処します。どこまで回復できるかは個人差によります。ただし、神経を完全に切断してしまった場合は回復不可能になってしまいます。
上顎洞や鼻腔の事故
上顎洞の損傷による蓄膿症や、鼻腔の損傷による大量出血の事故があります。これらはインプラントの事故の中でもそれほど起きる部類ではありません。
血管損傷による出血事故 血管損傷による出血事故は、大きなものは動脈や舌の根元にある大きな血管を損傷してしまったりと、ドリルの操作を誤まることで起きます。また、脳梗塞の薬のように血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合、治療中の止血が止めにくくなることがあります。このような患者は一時的に薬を止める必要があります。対処が遅れると危険なケースです。
骨のやけど
骨の細胞は温度が5度上がると死んでしまうため、手術でドリルを使う際は、生理食塩水をかけて冷却しながら行います。それがうまくできていないと、骨が死んでしまうため、インプラント体の結合が上手くいかなってしまいます。そうなった場合はインプラント体を引きぬき、骨の再生を待って再度手術を行うことになります。
インプラント手術後にわかる失敗例
まずはインプラントの失敗例で代表的ものでもある細菌感染です。インプラント体を埋める手術が終わった後、細菌感染で安定期間を無事に乗りきれなかったというケースになります。
- インプラント体がグラグラする
- 周囲から膿が出てくる。腫れが続く。痛い。
これらはインプラント体を埋め込む手術が失敗していた可能性が高いです。こうなると骨との結合もうまくいかなくなるので、インプラント体を除去しなければならない場合が多いです。安定期間を無事に乗りきれればインプラント治療の成功は目前なのですが、こうなってしまうこともあるのです。
インプラント治療終了後に「失敗ではないか?」と思われる症状
次は、安定期間を無事に過ぎ、アバットメントをはめて人工歯を付けた後のトラブルです。
インプラント治療は、人工歯根を埋め込む手術と安定期間を無事に経過すればほぼ成功と言われており、この段階から起きた出来事は失敗と言えるもかどうかどうかは微妙です。
インプラント咬み合わせが失敗?
- 舌やほおに当たる
- よく噛めない
- 人工歯がグラグラする
これらは対処が可能で、調整の範囲内でもあり、失敗のうちに入るかは微妙です。
インプラントの外観の失敗?
- 人工歯の色調や形の不調和
- 歯肉が痩せて、インプラント体の金属部分が露出
- インプラント体が斜めに埋まっており、前歯が出っ歯になってしまった
これらは治療の範囲に含まれない場合もあり、もともとインプラントの審美性には限界があるということです。
ただし、ある程度の審美性が保たれることはインプラント成功条件の一つです。あまりにも見かけに問題があるようなら失敗として扱ってもらえるのかどうか、患者としては訴えたいところです。
前歯の見かけの悪さでトラブルが多いようなので、審美性において万が一の時はどこまで対応してくれるのか、保証制度的なものはあるのか事前によく聞いておく必要があります。
インプラント治療の失敗というより衛生管理の失敗
安定期間を無事に過ごして、人工歯を付けた後にこれらの症状がでるとしたら、衛生管理がうまくいっていないということでしょう。自分の歯の手入れに問題があるのかもしれませんし、個人の手入れの限界かもしれません。
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