インプラント手術とは

インプラント手術とは、歯がない顎の骨にチタン製の歯の根を植え込む手術です。

手術では、局所麻酔後に歯肉切開で歯槽骨を露出させ、ドリルで人工歯根を埋め込む穴をあけます。
その穴に人工歯根を埋め込んで、3ヶ月~6ヶ月治癒期間を置いて人工歯根と歯槽骨を完全にくっつけることに成功すればインプラント手術がほぼ成功したことになります。

人工歯根の上に人工歯の土台を装着し、精密に加工した人工歯を被せれば治療完了。
入れ歯やブリッジ以上に強く噛めて、見かけも良く、安定した人工歯で食事が出来るようになります。
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現代のインプラント手術の歴史

 現代のインプラント手術が生まれたきっかけは、スウェーデンの整形外科医ブローネマルク教授の発見でした。
 1952年、教授は骨の成長を見る実験で、うさぎのひざの骨にチタンを植え込んでしばらく時間を待って引き抜こうとしたところ、まったく取れないという出来事を体験しました。
 教授はこの発見から、人の骨にチタンを埋め込むと、何カ月後には埋め込んだ時のわずかな骨とチタンの隙間がふさがってチタンが骨に半永久にくっつくという大発見を導き出したのです。この結合をオッセオインテグレーションと呼ぶようになりまいた。
 歯のインプラント治療もこの「オッセオインテグレーション」の研究から実験を重ね、「上の顎骨は6ヶ月」「下の顎骨は3ヶ月」というチタンとの結合時間を導き出した結果生まれた医療技術になります。

日本におけるインプラント手術の歴史

 まだインプラント手術が発展途上の時代は、素材にセラミックなどを利用していましたが、骨への定着率が悪く評判が悪い治療法でした。
 日本で現代のインプラント手術方法が導入されたのは1983年です。東京医科歯科大学の小宮山氏がスウェーデン留学から本場の技術を持ち帰りました。東京医科歯科大学の次には日本歯科大学が続き、現在ではほとんどの歯科大学がオッセオインテグレーテッド・インプラントを導入しています。
 日本は欧米に比べて、インプラント治療に関しては教育が遅れたために、症例はまだ少ないです。インプラント治療を行っている歯科医もかなり少数派です。21世紀になり日本でも各大学でインプラント学科が設置され始め、いよいよ日本でもインプラント治療が普及していく段階になりました。

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